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テレワークで雑談を促進する効果:リモートワークのコミュニケーション課題改善のために

2020年新型コロナの影響によって一気に普及することになったテレワーク。2021年もリモートで仕事を進めていくスタイルはIT業界に限らず多くの業界で継続していくことになるでしょう。

参考記事:「オンライン化」がコロナ禍をチャンスに変えた?:企業が二極化した実態とは

リモートワークにはオフィスや通勤にかかるコストを軽減できるメリットがある一方、組織内でコミュニケーションがとりにくくなるというデメリットがあります。必要に迫られてリモートワークを導入したものの、多くの管理職や人事、経営者の方はマネジメントの悩みを抱えています。なかには、テレワークのツールや制度を整えたものの、実際には上手く機能していない企業もあります。

コミュニケーション面の課題を改善する一つの手法がリモートでも雑談を効果的に用いることです。テレワーク環境で雑談を活用し組織内コミュニケーションを促進する方法について、解説します。

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テレワークが導入された組織が抱えるコミュニケーショントラブル

テレワークの導入は、組織内に内在していたコミュニケーションの課題が浮かび上がらせるきっかけにもなりました。

感染症対策だけではなく、通勤が難しい人への対応やコストダウンの狙いもあり、様々な業界でテレワークは今後も導入が進んでいくでしょう。導入を進めていく前に考えておきたいコミュニケーションの課題の改善について、調査データや事例をもとにまとめました。

テレワークにおける不安感・孤独感に関する調査結果

2020年3月にパーソル総合研究所が実施した「テレワークにおける不安感・孤独感に関する定量調査」によると、組織全体の2~3割にテレワークが導入されたいわゆる「まだらリモートワーク」の時がリモートワーカーにとって一番不安感や孤独感を感じやすいタイミングだと言います。

テレワーカーの不安の第1位は「相手の気持ちが察しにくい」(39.5%)、次いで2位は「仕事をさぼっていると思われないか」(38.4%)でした。一方管理者側の懸念点としては、1位が「業務の進捗が分かりにくい」(46.3%)、第2位は「相手の気持ちが察しにくい」(44.9%)でした。

組織のマネジメントとしては出社している人の感情面にも注意が必要です。テレワーカーに感じる疑念・不満としては1位が「さぼっていると思うことがある」(34.7%)、2位は「相談しにくい」(32.3%)でした。

上記のような不安や不満が生じる原因の一つとして考えられるのがコミュニケーション不足です。同調査では「対面」に比べて「非対面」の方が「報告」「連絡」「相談」「雑談」のすべてが行われない傾向が示されました。特に、相談と雑談の度合いは著しく下がり、互いの顔が見えるWeb会議・テレビ会議でもメールやチャット、電話より「相談」や「雑談」ができていない現状が示されています。

リモートワークに必要な関係構築:ホウレンソウからザッソウへ

フルリモート経営を行っている企業3社の経営者が語る組織マネジメントによると、「何を言っても大丈夫」とメンバーに感じさせる心理的安全性を確保するためにリモートワークだからこそ雑談が重要だと述べられています。

通常のオフィスで過ごす時間のうち、「個々の業務をする時間」や「会議などで顔を合わせる時間」はリモート環境でも確保しやすい枠ですが、「なんでもない会話をする時間」は意識しなくては共有することができません。なんでもない会話の時間を共有していれば、「忙しそう」「大変そう」といった互いの状態を察しやすくなります。それがリモートでは意識しないとできないため、「さぼっていると思う/思われる」という問題が発生するのです。

業務に必要なコミュニケーションである「ホウ・レン・ソウ」だけを意識したマネジメントでは、何でもない会話の時間の共有をリモート環境で作り出せず、互いの信頼関係が損なわれやすくなります。テレワークを導入していく場合、雑談から気軽な相談につなげていく「ザッソウ」重視のマネジメントがより適切になると考えられます。

テレワークの雑談の場を組織内でどう作るべきか

いざ、テレワークの環境で雑談の場を設けようと思っても、どのようにすればいいのか具体的な方法を迷う人も多いでしょう。雑談の場を設けても、かたちだけになってしまっては意味がありません。

リモートワークを取り入れている場合、使えるコミュニケーションはテキストとWeb会議の2種類が中心になります。

組織マネジメントの一環としてリモートで雑談の場を運営する方法について、テキストとWeb会議どちらも具体的な実例とともにご紹介します。

テキストコミュニケーションでの雑談促進:雑談専用のチャットを作る

テキストコミュニケーションで雑談を促進するには、例えば雑談専用のチャットを作るという方法があります。専用チャットを作る際には必ず下記のようなルールを設けることです。

  • チャットで他者の批判をしない
  • くだらないと思うような発言でも歓迎する
  • 仕事と全く関係のない話題や弱音もOK
  • 雑談専用チャット内の発言は職務評価に関係しない

そして運営者である管理職が率先して仕事と関係ないような雑談ネタを発信し、他者の発言に対して積極的にからんでいく姿勢をとっていくことで、立場に関係なく発言がしやすい環境が生まれます。個々の発言からメンタルの状態に注意が必要そうなメンバーがいれば、1対1で個別フォローを入れていくことで管理もしやすくなります。

Web会議での雑談促進:雑談Meetの実例

Web会議で雑談促進については、GoogleMeetを活用したクラスメソッド社の社内雑談Meetの実例が参考になります。雑談meetの発起人は以下のように意図とルールを最初に設定し、雑談の場を設けました。

・リモートワーク中にオフィスの人とあまり話せないので雑談meetでワイワイやりましょう
・家で独りで仕事するのは孤独な作業です。心の安定を保つため、雑談Meetをご利用ください
・入退出は自由です。MTGの隙間の時間などにお立ち寄りください
・作業に集中したいときはミュート、音量下げ、退出を各自おねがいします
・技術の相談、仕事の話も自由にしてください。あまりに立て込みそうなら別Meetを立ててくださいませ
・顔出しありなしはお任せします。

引用:「リモートワーク生活に雑談Meetを導入してみたお話」

発起人の中安氏は以下の点に気を付けて運営し、結果的に雑談Meetを通じて社内の相談ハードルを下げ、新しい交流を組織内で生み出すことに成功しています。

  • 言い出した人として基本的に朝から晩まで参加し、定着まで継続する
  • 現在の参加者をSlackの専用チャットで随時告知していく
  • 部署や拠点を一切問わずに自由意思で参加できるようにする

雑談ばかりではなく仕事を進めていく上でのセルフマネージメントはもちろん必要です。しかし、雑談を通じて相談のハードルを下げたり新しい人の輪をつなげたりできる点は大きなメリットと言えます。

まとめ:テレワーク導入で改めて問われる組織マネジメント

テレワークにおけるコミュニケーション課題と雑談の促進について、まとめると次のようになります。

  • テレワークを導入すると、通勤者とリモートワーカーの間に温度差が出やすく、リモートワーカーも孤独や不安に陥りやすいデメリットがある。
  • リモートワークだからこそ雑談からの気軽な相談を加速する「ザッソウ」のコミュニケーションが組織に必要になる
  • テキストやWeb会議でも雑談の場は一定のルールを設けることで活用でき、社内コミュニケーションを円滑にする効果がある

これからテレワークに対応できるかどうかで、採用の難易度も変わってきます。リモートに対応していれば、国内外の場所を問わず優秀な人材を集めやすくなるからです。組織に入ってすぐに在宅で働きたいと考える新卒や中途社員も増えていくでしょう。

リモートワークの導入は組織マネジメントの質を改めて見直す機会になります。まだ導入が進んでいない、あるいは導入しているものの管理面などの悩みを抱えている企業は、組織マネジメントのあり方自体をこれから見直していくことになるでしょう。

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