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生産性向上に今こそ見直したいシェアオフィス・コワーキングスペースの活用提案

コロナ禍がもたらした大きな社会変動のなか、自社の事業戦略の大きな方向転換や新事業の創出というように、多くの企業が経営の見直しを迫られました。

新型コロナの影響が比較的少ない業界や業種でも、例外ではありません。多くの企業が今後のリスクに備えて事業の生産性向上を重要課題としてあらためて検討を進めている状況にあります。

生産性を向上させる観点から、フリーランスやスタートアップ企業を中心に注目されているのがシェアオフィスやコワーキングスペースの活用です。

生産性向上の観点から考えたシェアオフィスやコワーキングスペースの活用について、まとめました。

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企業の生産性向上のための対策とは:キャッシュを増やすために

生産性向上とはつまり、いかに企業の利益を増やせるかということです。そのためにどのような取り組みが行えるのか、生産性向上の基本をまず確認しておきましょう。

売上に対する変動費の割合を下げる
固定費を減らさずに多くの売上(利益)を上げる
固定費を減らして売上(利益)を維持する

出典:コロナ禍で経理に求められること

売上を上げるための施策はもちろん重要ですが、企業の体力と言うべきキャッシュを増やすためには支出を抑える守りの施策も不況下では特に重要なポイントとなります。

支出を抑える守りの施策:固定費と変動費どちらを削るべき?

支出を抑える場合、固定費と変動費の2種類のどちらをより削るべきでしょうか。

売上の増減なく毎月かかる費用を固定費といいます。対して、売上の増減に合わせて支出額が変わる費用が変動費です。

固定費:人件費、地代家賃、水道光熱費、リース料、広告宣伝費など
変動費:売上原価、商品仕入高、外注費など

結論から言えば、固定費の削減から目を向けていく方が効率よく支出を削減できます。固定費は仮に売上ゼロでも支出額が変わらないため、計画的に削減がしやすく節約効果が大きいからです。

リストラは人件費を削るための施策ですが、人材は育てるために時間がかかるため、安易に行うと後々の事業にダメージが大きくなります。したがって、地代家賃や水道光熱費、リース料などの削減は一番目を向けやすいポイントといえるでしょう。

店舗型のビジネスであれば難しい面もありますが、オフィスワーク中心の業態であれば検討したいのがリモートワークと併用したシェアオフィス・コワーキングスペースの活用です。

シェアオフィスとコワーキングスペースの違いと活用提案

シェアオフィスやコワーキングスペースのように企業や事業主が場所や設備をシェアする業態は、近年増加傾向にあり、増加スピードも加速していると言われます。例えば東京23区内のフレキシブルオフィスの累計件数は次のように推移しています。

出典:フレキシブルオフィス市場調査2020(ザイマックス総研)
※注:ザイマックス総研の調査におけるフレキシブルオフィスの定義としては、「一般的な賃貸借契約によらず利用契約を結び、事業者が主に法人ユーザーに提供するワークプレイスサービス」とされている。

シェアオフィスやコワーキングスペースのように増加するフレキシブルオフィスを生産性向上のために活用するにはどのような点に注意すればよいのか、シェアオフィスとコワーキングスペースの違いを明らかにした上で解説します。

シェアオフィスとコワーキングスペースの特徴とメリット・デメリット

シェアオフィスとコワーキングスペースは混同されがちですが、オフィス機能を持つワークスペースのシェアという点では共通していてもその目的が違います。

シェアオフィス:「施設ありき」でワークスペースをシェアする仕組み
コワーキングスペース:「コミュニティ形成」を軸にワークスペースをシェアする仕組み

したがって、コワーキングスペースの場合利用者同士の交流が起こりやすく、これから起業する人や新しい事業を起こす人同士が意見を交わしやすいのが特徴と言えます。

シェアオフィスやコワーキングスペースで共有する「オフィス機能」というのは、以下のように社内の作業に必要な設備から対外的に必要な機能まで含みます。

  • 会議室利用
  • コピー・複合機のシェア
  • オフィス電話(取次まで含めて対応してくれる場合もある)
  • 法人登記や名刺記載が可能な事業用住所
  • 郵便受け

シェアオフィスやコワーキングスペースを利用するメリットとしては、次の2点が大きいと言えます。

  • 地代家賃・光熱費・リース代といった初期投資や固定費の削減
  • 立地環境がよいところが多く、通勤や商談にも便利

また、特にコワーキングスペースであれば、横の繋がりができることで新しいアイデアの創出しやすい点もメリットとして挙げられるでしょう。

一方、ワーキングスペースをシェアする以上、通常のオフィスにはないデメリットもあります。

  • 多数の人が出入りするため、セキュリティの面で懸念がある
  • 設備には限りがあるため、利用タイミングが重複するなどの制限がかかることがある

また、他者と働く場をシェアすることで、落ち着いて仕事に集中できないという人もいるでしょう。

テレワークとシェアオフィス・コワーキングスペースの併用案

シェアオフィスやコワーキングスペースを活用しやすいのは、フリーランスやひとり社長のように個人で仕事を進めている場合、あるいは少人数のチームで事業を進めているオフィスワーク中心の企業です。

想定する利用人数が多すぎると、シェアオフィスやコワーキングスペースでは逆に割高になってしまったり、スペースの広さが足りない場合があるので注意しましょう。

コロナをきっかけにテレワークを積極活用し、オフィスの縮小を推し進めた企業としては次のような事例があります。

株式会社デジタルホールディングス:テレワークを活用し、「出社週2日以下」「本社ビルの3分の1を解約し、約2億円を削減」の方針を打ち出す
富士通グループ:コロナ後は全社員の9割がテレワークに移行。今後3年かけて国内のオフィス床面積を半分にする方針。
ClipLine株式会社:約50人の従業員のほぼ全員をテレワークに。オフィスを縮小移転予定。

テレワークの課題の一つとして、自宅の作業環境が整っておらず、仕事がしにくいという従業員からの意見があります。またコミュニケーション不全によって孤独に陥りやすい傾向も示されています。

参考記事:テレワークで雑談を促進する効果:リモートワークのコミュニケーション課題改善のために

最終的に自宅で仕事できる環境を整えるにしても、移行期の段階でシェアオフィスやコワーキングスペースを併用することで、家での仕事は息が詰まるといった従業員のニーズに応え、作業の能率を上げやすくなります。

テレワークの活用とワークスペースのシェアを併用すると同時に、オフィスを縮小させることで、結果的に家賃や光熱費などの固定費が削減できます。

たとえばWeWorkFabbitのように全国に支店があるシェアオフィスやコワーキングスペースを使えば、出張や転勤にも対応しやすいというメリットもあります。

企業にとって固定のオフィスを持つことが必ずしも必要ではなくなると言えるでしょう。

まとめ:オフィスに対する新しい考え方と企業のワークスペースの見直し

生産性向上を目的としたシェアオフィスやワークスペースの提案についてまとめると以下のようになります。

  • 企業の利益を増やすためには、キャッシュを守る施策も重要。支出を削減する場合、固定費から見直していくべき。
  • オフィスの固定費を削減するために、テレワークの導入と必要に応じたシェアオフィス・コワーキングスペースの併用からオフィスの縮小を選択肢に

もちろんオフィスをブランディングの一環として活用している企業であれば、上記の提案は当てはまらないでしょう。しかし「企業がオフィスを持たなくてはならない」という固定概念は覆りつつあります。

オフィスの縮小やテレワークの導入、シェアオフィス・コワーキングスペースの併用といった新しい制度を導入する場合、社内のルールや様々な制度を改革していく必要があります。企業内で大きな変革を起こそうとする場合、社外から専門家が第三者介入したほうがスピーディに進むケースが多々あります。

私達ギグロースでは、社外の専門家としてプロ人材の活用をご提案しております。雇用しない新しい人材の活用にご興味がおありの企業担当者様は、ぜひお気軽にお問い合わせをお待ちしております。

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