新規事業の立ち上げは企業にとって難易度の高いチャレンジです。新規事業が立ち上がった後、軌道に乗る確率は10%以下と言われています。だからこそ成功率を少しでも上げるために、企業の経営者や事業責任者は様々な手を打つわけです。
新規事業の立ち上げは、事業計画どおりにスムーズに進むことはほぼ100%ありません。立ち上げのプロセスを事前に関係者全員が学び、各フェーズで生じやすいトラブルを把握しておくことで、チーム全体の共通認識のもとプロジェクトが進めやすくなります。
新規事業はどのような流れで立ち上げられ実行されていくのか、計画途中で生じるトラブルに対処する方法は具体的にどのようなものか、シンプルに解説していきます。
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新規事業の立ち上げから計画実行までのプロセスと予想される事業計画上のトラブル
新規事業の立ち上げから計画実行までの流れをまずは全体的につかみ、成功する新規事業立ち上げに必要な経営資源について説明します。さらに、立ち上げのプロセスを踏まえて、各段階で予測される様々なリスクやトラブルについても解説していきます。
新規事業の立ち上げから計画実行までの成功を左右する4つの経営資源
事業の立ち上げから事業が軌道に乗るかどうか、成功確率を上げるためには4つの経営資源を新規事業の成功を確信できる段階まで可能な限り揃えることが重要です。
- 情報:事業計画の精度を高める
- ヒト:事業計画の遂行に必要な人材を揃える
- モノ:特許や技術などの資産を事業に活用する
- カネ:予算を確保する
新規事業の立ち上げは、事業に関連したアイデアを出すところから始まります。したがって新規事業の立ち上げの流れは次のようになると言えます。
「情報」を集め、実現可能性を高い事業計画を打ち出す
↓
事業計画に合わせて「ヒト」「モノ」「カネ」の配分を決めていく
ただし4つの経営資源を全て潤沢に揃えることはほぼ不可能です。新規事業の立ち上げを進めていくと、それぞれの資源に対して課題を抱えることになります。
「情報」の課題:事業計画の実現可能性が推し量れない、具体的な考え方や行動すべき内容が明確にならない、アイデアに対して評価基準が示せない、など
「ヒト」の課題:どんなスキルの人材に任せればいいのかわからない、適切な人材がいない、チーム内のコミュニケーショントラブル、など
「モノ」の課題:技術や特許などの資産をどう組み合わせるべきかわからない、自社にはない技術との組み合わせを狙いたい、など
「カネ」の課題:確保すべき予算の額が定まらない、計画に対して予算が足りない、など
新規事業立ち上げのときに最も重視すべき経営資源とは:事業計画が全ての基盤
それぞれの経営資源は互いに関連しあっていますが、最も重要な経営資源は「情報」です。立ち上げの土台となる事業計画に迷いや誤算が生まれると、後のヒト・モノ・カネの確保や配分も上手くいきません。
集めるべき情報は、全部で4種類あります。
- 新規事業を取り巻く市場を知るための情報
- 新規事業の事業内容を精査するための情報
- 将来的に生み出せる競争力を予測するための情報
- 事業計画の実現を確信に近づけるための情報
4種類の情報をいかに正確にタイムリーに集めるかが新規事業立ち上げの成功確率を上げるためのポイントです。
リスクを減らしコストを抑えられる新規事業の進め方とは
経営資源を出来るだけ揃え、万全の体制で挑んだとしても想定外のトラブルが起こるのが、新規事業の立ち上げというもの。立ち上げに関わるメンバーは、リスクヘッジを考えながらどのように事業をスタートさせるべきか、頭を悩ませることになります。
リスクを減らし、コストを抑えながら新規事業を進めるため方法としてリーンスタートアップという考え方について解説します。
トラブルに負けないための新規事業サイクル:リーンスタートアップ
新規事業の立ち上げに使える企業の方法論として、リーンスタートアップ(lean start-up)という考え方があります。2010年頃からアメリカのシリコンバレーで取り入れられ始めた手法で、小さな失敗を何度も繰り返しながら改善をしていくという考え方です。
新規事業立ち上げでのリーンスタートアップは、下記のように短期間かつ小規模で改善に向けてサイクルを何度も回し、フィードバックありきで改善していく流れになります。
リーンスタートアップのサイクルを導入することで、事業が大きな失敗で頓挫するリスクがヘリ、全体のコストを抑えながら事業を立ち上げることができます。
しかし、リーンスタートアップのサイクルには問題が一つあります。フィードバックを新規事業に対して適切に行える人材が企業内にいなければ、リーンスタートアップは機能しないのです。
新規事業の立ち上げプロセスに対して適切な評価ができるプロ人材需要の高まり
新規事業の立ち上げの際、初期のアイデア段階から社外のプロ人材を採用する企業が増えています。すでに新規事業立ち上げを行った経験のある人から的確なフィードバックが都度得られれば、リーンスタートアップに沿った細かな修正を繰り返すことができ、新規事業の立ち上げは加速するからです。新規事業立ち上げの成功確率は、経験者がチームにいるかいないかで大きく変わります。そのため、新規事業立ち上げを経験したプロ人材は企業からの需要が高く、人材市場で高く評価されるようになりました。
社内に新規事業を立ち上げた経験者がいない、あるいは経験者を既存事業から引き抜くことが困難な場合、プロ人材の活用を検討してみましょう。事業計画の情報部分を補完する経験者からのフィードバックは、新規事業立ち上げのプロセスを通じて役立つでしょう。
まとめ:新規事業立ち上げの成功には経験者からの評価を得て、細かな計画の修正改善が必要
新規事業立ち上げのプロセスおよび計画途中で生じるトラブルに対応する方法について、まとめると次のようになります。
- 新規事業の立ち上げには、「情報」「ヒト」「モノ」「カネ」の経営資源が必要。「情報」のよって精度が高まった事業計画が全体の土台になる。
- リスクを減らしながら新規事業を立ち上げるには、短期間に小規模で修正改善を繰り返すリーンスタートアップのサイクルが有効
- 新規事業立ち上げを経験した人からのフィードバックがあると新規事業の立ち上げは加速する。社内にいなければ、外部のプロ人材活用を検討すべき。
社内に新規事業立ち上げの経験者がいたとしても、これから展開していく市場が初めての海外市場などのように未知の領域であれば、該当する市場に対して経験のあるプロ人材の知見やフィードバックは貴重な情報です。
新規事業を立ち上げた実績を他社や他業界で活かしてみたいというプロ人材も増えています。今後、新規事業を立ち上げる予定があれば、ぜひ一度プロ人材の採用を人員計画に組み込むことをおすすめします。
ギグロースではプロ人材の活用について様々なご相談を承っております。ぜひお気軽にお問い合わせください。