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「オンライン化」がコロナ禍をチャンスに変えた?:企業が二極化した実態とは

コロナ禍によって多くの企業が変革を迫られました。なかには業績が悪化した結果、事業の縮小やリストラ、あるいは倒産などの経営判断を下した企業もあるでしょう。しかし一方で、コロナ禍をチャンスとして売上を伸ばしたり、組織の変革を一気に推し進めたりした企業もあります。

起きてしまった社会の変動自体を変えることはできません。だからこそ、状況を追い風に変えるための発想が企業の経営戦略には必要です。

新型コロナの影響で見えてきた今後の経営戦略のポイント、その一つがオンライン化です。オンライン化に対応できた企業とそうでない企業との格差はこれからも広がっていくでしょう。

コロナ禍の中、オンライン化への対応がどのように企業の明暗を分けたのか、今後の企業にとってオンライン化が必須である理由について解説します。

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「オンライン化」の対応度合いで明暗分かれたコロナ禍の企業

コロナ禍の中、感染拡大を防ぐために多くの企業では社員が自宅待機となり、リモートワーク導入が迫られました。結果、企業ごとのオンライン化への対応度合いの差が明確に示されました。

  • 新型コロナ拡大以前からオンライン化を導入済みあるいは事前準備を進めていた企業
  • 新型コロナ拡大以前にはオンライン化に対しての準備をしていなかった企業

前者の企業はコロナ禍をチャンスに変えられたか、少なくともダメージを軽減することができました。一方後者の企業の多くは、新型コロナの負の影響を大きく受けることになりました。

両者の違いはどうして生まれたのか、オンライン化の定義を踏まえた上で事例を検討していきます。

オンライン化とは何か:リモートワークを導入すれば終わりではない

オンライン化とは、アナログな業務をネットワーク通信で行える状態にすることです。例えば、インターネットで商談を行うオンラインセールスや遠隔でも社員を働ける環境を整えるリモートワーク(テレワークとも言う)などは全てオンライン化に含まれます。

地域企業のIT経営を支援しているNPO法人ITCかがわ会長の中庭正人氏は、企業のオンライン化は目的の設定が重要だと主張します。リモートワークの導入がオンライン化というイメージがありますが、手段と目的を混同すべきではありません。

  • オンライン化することで、遠方の人とビジネスを成立させる
  • オンライン化によって顧客との新しい関係を構築する
  • オンライン化で仕事の効率を上げる
  • オンライン化でしかできない新しい商品・サービスを生み出す

企業が社会の変化を積極的に取り入れ、目的を達成するための方法がオンライン化なのです。

オンライン化の活用で広がったコロナ禍の企業格差

オンライン化に対応できたかどうかで、実際企業間でどのような差が開いたのでしょうか。例えば、エヌ・ティ・ティ・データの「withコロナ環境における遠隔営業活動やオンライン会議ツールの利用」によると以下のような調査結果が示されています。

「遠隔/オンラインでの営業活動を実施している」企業が約75%
そのうち、全体の約75%以上が「5割以上の活動がオンライン化している」

引用元:Withコロナ環境における遠隔営業活動やオンライン会議ツールの利用(エヌ・ティ・ティ・データ)

オンライン化に対応できなかった25%の企業が身動きとれないうちに、対応できた75%の企業はオンラインで営業活動をしていたわけです。売上の差は当然開きます。

また新型コロナの影響によって、個人間のコミュニケーションもオンライン化が進んでいます。様々なイベントや企画などもオンライン開催が普及してきました。その流れを先取りして商品・サービスを展開できた企業と新型コロナが話題に上がり始めてからオンライン化の準備をし始めた企業とを比較すると、後者の企業はオンライン化していないことで数多くの機会損失をしていることがわかります。

新型コロナでの社会変化は不可逆と言われています。現状でオンライン化に対応していない企業は、これからの時代は厳しくなります。新しい技術を活用できる企業との間に、今後さらなる格差が生まれていくでしょう。

オンライン化した企業のメリット3点:人材採用・商圏の拡大・コスト削減

オンライン化に対応しなくても、リアルでの集客や売上には困っていないという企業もあるかもしれません。人材採用・商圏の拡大・コスト削減の3点から企業にとってのオンライン化導入のメリットを説明します。

オンライン化の企業メリット①優秀な人材の採用と確保に有効

オンライン化をした企業のメリットの1つが、人材採用の面です。優秀な人材が確保できずに困っている企業であれば、ぜひオンライン化を推し進めましょう。

介護や子育てといった事情から家を離れることが難しかったり、決まった時間に出社することが困難な人のなかには、スキルやキャリアを積み重ねた優秀な人材がいます。日本国外あるいは地方在住者のなかにも発掘すべき人材はいるでしょう。近年登場した在宅勤務に特化した求人マッチングサービスでは、人材を求める企業側よりも応募者の方が多く、経歴やスキルも豊富な人材が多く集まる傾向があるようです。オンライン化を進めることで、キャリアを断念せざるを得なかった人たちにとって魅力的な待遇を提示できるため、採用に困らなくなります。

また、リモートワークの推進は自社の社員を大事にしたい企業にとっても取り入れるべき施策です。なぜなら優秀な社員が介護や子育てで離職せざるをえない状況になった際にも、オンライン化によってキャリアを中断させることなく、在宅で雇用し続ける選択肢が選べるからです。リモートワークの導入で働き方の選択肢が増えることは、企業側・労働者側、双方にとってメリットと言えるでしょう。

オンライン化の企業メリット②全世界への商圏拡大

2つ目のオンライン化による企業のメリットは、商圏の拡大です。日本国内だけではなく、世界中からお客様や取引先を探して繋がりを深められる点は、オンライン化の魅力でしょう。

例えば、オンラインショップを出せば、日本国内のみならず世界を相手に商品・サービスを販売することができます。言語の壁についても、AIの進歩により翻訳のハードルは下がっています。販路を開拓するにしても、移動コストを考えればアプローチできないような地方や海外であっても、オンラインを活用して距離を縮めていくことができます。

例えば観光業や飲食業のようにリアルでの接客やサービスを売りにしている業態であっても、オンライン化で商圏の拡大を狙うことができます。例えば、コロナ禍のさなか、バーチャルでの宿泊体験および旅人同士の交流の場を提供するというオンラインサービスを提供した宿泊施設がありました。また飲食業であれば、ウーバーイーツなどネットからの注文を受けて宅配するシステムをいち早く取り入れた企業とそうでない企業との間で売上の差は大きく開きました。

どのような業態であっても、オンライン化によってお客様や取引先を広げていくことは可能です。そしてオンライン化に対応しているからこそ、切り札としてリアルの機会がより活かせるのです。

オンライン化の企業メリット③業務のコスト削減

業務のオンライン化を進めることで、企業側はコスト削減というメリットを得ることもできます。オンライン化で削減できるコストは、時間や労力、そして費用面です。

事例として、取引先と契約を結ぶプロセスについて考えてみましょう。

事例)
A社とB社のCEOが面談して、契約書に調印・締結したケース

【オンライン化に対応していない場合にかかるコスト】
2社のCEOが時間を割いて、移動する時間・労力のコスト
紙の印刷代や印紙代という金銭コスト

【オンライン化に対応した場合の軽減出来るコスト】
電子契約書を用いることで、移動する時間・労力はゼロ
印刷代も印紙代も不要だが法的拘束力は同様

参考:フリーランスは契約書の注意点を確認しなければ損!:トラブル防止の基礎知識

上記の事例で注意するべきは、2社のどちらかが電子契約書に対応していなければ、対応済みの企業もオンラインで契約を終わらせることができないという点です。もちろん電子契約書以外にも様々なオンライン化できる業務について同様のことが言えます。

オンライン化を推し進めていないということは、すでに対応している企業からすれば取引をする際に余計なコストがかかる可能性が高く、それだけで取引を敬遠する理由になりかねません。オンライン化は自社のコスト削減でもあり、取引先企業への配慮にもなるのです。

まとめ:オンライン化の流れに取り残された企業はアフターコロナで厳しくなる

オンライン化の対応度合いで生まれたコロナ禍の中での企業格差や企業がオンライン化を取り入れるメリットについて、まとめると次のようになります。

  • オンライン化は企業の目的ありきの手段であり、社会の変化に対して積極的に対応して目的を果たすために導入するもの
  • オンライン化に対応できていた企業とそうでない企業との間で新型コロナの影響に対してとれる対策方法の数に大きな差があり、結果として格差が開いた
  • オンライン化による企業のメリットは人材採用・商圏の拡大・コスト削減の3点

これからオンライン化の流れは加速していくでしょう。まだオンライン化に対応できていない企業は早くキャッチアップしていかないと、今後ますます変化が激しくなる社会の動向に適応できなくなるでしょう。

オンライン化をサポートする人材がもし社内にいないのであれば、外部からオンライン化に詳しいプロ人材を採用する方法もあります。ぜひお気軽に私たちギグロースへとご相談ください。